マイクロバスのレンタルは、社員旅行、学校行事、送迎、イベント移動などに非常に便利な手段です。しかし、普通車とは違い運転や手続きが特殊であるため、利用者の不注意や確認不足から思わぬトラブルに発展することがあります。
この記事では、実際に起きたマイクロバスレンタル時のトラブル事例を紹介し、それらを未然に防ぐための対策もあわせて解説します。これからマイクロバスをレンタルしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
実際にあったマイクロバスレンタルのトラブル事例
1. 【運転資格の確認ミス】マイクロバスを運転できなかった
事例:
ある団体が旅行のためにマイクロバスを予約。しかし、出発当日に運転を担当する予定だったメンバーが「普通免許」しか持っておらず、バスを運転できないことが判明。予定は大幅に遅れ、急遽代行運転サービスを依頼することに。結果、追加費用とスケジュールの変更で参加者からも不満が出てしまった。
原因:
マイクロバスの運転には、車両のサイズ・定員によって中型免許や大型免許、または二種免許が必要な場合があります。普通免許で運転できる車両ではない可能性が高いにもかかわらず、免許の種類を事前に確認していなかったことが原因。
防止策:
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レンタル前に「車両の仕様」と「運転に必要な免許」を必ず確認する
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複数名で運転できる体制を整えておく(急な交代も可能)
2. 【返却遅延】延長料金+損害賠償が発生
事例:
旅行最終日に予定が押してしまい、返却時間に2時間遅れて返却。次の利用予約が入っていたため、レンタカー会社から違約金と追加料金が発生。さらに、夜間の返却ができない契約だったため、返却扱いにならず1日分の料金も請求された。
原因:
返却時間と対応時間をきちんと把握しておらず、返却が遅れてしまった。また、事前連絡をせず無断延長となってしまった点も問題。
防止策:
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返却時間には1時間以上の余裕を持ってスケジュールを立てる
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遅れそうな場合は、必ず早めにレンタル会社へ連絡
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夜間返却の対応可否は必ず事前確認する
3. 【車両トラブル】エンジンがかからない・エアコンが故障
事例:
夏の送迎でマイクロバスを使用中、エアコンが故障。車内が暑くなり利用者が不快な思いをし、途中で運行を中止する羽目に。別の事例では、朝出発しようとしたらエンジンがかからず、修理のため出発が大幅に遅延。
原因:
出発前の車両点検を十分に行っていなかった。レンタル会社によっては整備が甘いところもあり、受け取った段階で異常があったにもかかわらず見落としていた。
防止策:
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出発前に灯火類・タイヤ・エアコン・ブレーキ・燃料・バッテリーなどを確認
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不具合があれば即座にレンタル会社へ報告し、交換や対応を求める
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時間に余裕を持ってレンタル店舗を出発
4. 【車両の破損・事故】補償範囲を超える高額請求
事例:
運転中に狭い道で電柱に接触し、車体を大きく破損。保険に加入していたが、免責金額やノンオペレーションチャージ(NOC)の支払いが必要になり、実費で数万円を支払うことに。
原因:
マイクロバスは全長や全高が大きく、普通車の感覚で運転すると接触しやすい。補償内容についても曖昧なまま契約していたため、何がカバーされるのか知らなかった。
防止策:
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車両感覚に不安がある場合は、事前に運転練習や下見を行う
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保険内容(免責補償・NOC補償など)をしっかり確認・加入する
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万が一の事故時の対応方法も事前に把握しておく
5. 【忘れ物・清掃不足】追加費用の請求
事例:
利用後にバスを返却したが、座席にゴミが残っていたり、荷物の忘れ物があったりしたことで、清掃代や保管料を請求された。
原因:
返却前に車内チェックを怠ったこと。特に複数人での利用時は、誰が何を残したのか特定しにくく、責任の所在も曖昧になる。
防止策:
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返却前に車内を全員で確認・清掃する
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荷物やゴミの持ち帰りを徹底するよう事前に周知
トラブルを未然に防ぐためのチェックリスト
✅ 1. 免許の種類と運転資格の確認
マイクロバスを運転するために必要な免許は何か?予約前に確認しましょう。
✅ 2. 保険・補償内容の理解
万が一のトラブルに備えて、補償内容と免責金額、NOCなどを必ず確認しておくこと。
✅ 3. 返却時間と場所の確認
返却可能な時間、場所、営業時間外の対応などを事前に明確に把握しておく。
✅ 4. 出発前点検を行う
車両に異常がないか、必ずスタッフと一緒に確認。特にタイヤ、ブレーキ、エアコンは要チェック。
✅ 5. 万が一の連絡体制を確認
事故や遅延があった場合にどこへ連絡すべきか、電話番号などを控えておく。
まとめ
マイクロバスのレンタルは非常に便利ですが、普通車とは異なる点が多く、利用には慎重さが求められます。実際に起きたトラブル事例を見ても、**「確認不足」「認識の甘さ」「連絡の遅れ」**が原因となっているケースがほとんどです。
トラブルを未然に防ぐには、事前の準備と確認、そして余裕を持った行動が何より重要です。安全で快適なバス旅を実現するために、今回紹介した注意点と対策を参考にして、しっかり準備を整えましょう。