旅行や出張、引っ越しなど、さまざまなシーンで便利なレンタカー。しかし、普段乗り慣れない車種を運転することも多く、うっかり車体を擦ってしまうトラブルは決して珍しくありません。そんなときに気になるのが「修理費用はどのくらい?」「ペナルティ料金って何?」「保険は使えるの?」といった疑問です。
この記事では、レンタカーを擦ってしまった際に発生する修理費用の目安、ペナルティの種類と金額、そして回避・対策方法を詳しく解説します。これからレンタカーを利用する方や、事故時の対応を知っておきたい方は、ぜひ参考にしてください。
◆ レンタカーを擦った場合にかかる費用の内訳
レンタカーを擦ってしまった場合、請求される金額には以下のようなものが含まれます。
① 修理費用
車体の損傷状況により、パーツ交換または板金塗装が必要になります。代表的な部位と修理費用の目安は以下のとおりです:
損傷箇所 | 修理費用の目安 |
---|---|
バンパー擦り傷 | 20,000~50,000円 |
ドアの小さな凹み | 30,000~70,000円 |
フェンダーの擦り傷 | 30,000~60,000円 |
ホイールのガリ傷 | 10,000~30,000円 |
ヘッドライトの破損 | 30,000~80,000円 |
修理費は車種や損傷の程度、部品の入手可否によっても変動します。
② 免責補償料(CDW)を付けていたかどうか
保険に加入していれば、自己負担額は軽減されます。通常、レンタカー会社の基本プランには対人・対物・車両・人身傷害が含まれており、さらに**免責補償制度(CDW)**に加入していれば、自己負担が0円または大幅に軽減される場合があります。
ただし、以下のような状況では保険適用外となることもあるので注意が必要です:
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飲酒運転
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契約者以外の運転
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故意の破損
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規約違反の使用方法(無断延長、舗装されていない道の走行など)
③ NOC(ノン・オペレーション・チャージ)
NOCとは、事故や故障で車両が使用できない期間中の営業補償費用のこと。車両を修理する間、レンタカー会社はその車を貸し出せないため、営業損失として以下の金額が請求されます:
状況 | NOCの目安 |
---|---|
自走可能(返却可能) | 20,000円前後 |
自走不能(レッカー必要) | 50,000円前後 |
保険加入の有無に関係なく発生するため、免責補償制度ではNOCは別途請求されるのが一般的です。
◆ 特に擦りやすい・損傷しやすい部位
初心者や慣れない車種を運転する方は、以下の部位に特に注意が必要です:
▽ バンパー
狭い道や駐車時にポール・壁・縁石に擦ってしまう事故が多発します。特にフロントやリアのバンパーは注意が必要です。
▽ ドア・サイドミラー
ドアを開けたときに隣の車や壁にぶつけるケース、サイドミラーを電柱や壁に擦るケースもよく見られます。
▽ ホイール・タイヤまわり
縁石に乗り上げたり、Uターン時に車輪を擦ったりすることで、ホイールに傷がつくことがあります。
◆ 擦ったときの対処方法
もしレンタカーを擦ってしまった場合、焦らずに以下の対応を行いましょう。
① 車を安全な場所に停める
まずは後続車や周囲に危険がない場所に車を移動させます。
② 損傷の写真を撮る
擦った箇所とその周囲をスマートフォンなどで複数枚撮影しておきましょう。保険申請や修理見積もりの際に必要です。
③ レンタカー会社へ連絡
事故の有無にかかわらず、傷をつけた場合は必ずレンタカー会社へ連絡しましょう。自己判断で黙って返却すると、後日トラブルになる可能性があります。
④ 警察に届け出る(必要に応じて)
単独事故であっても、保険申請のために事故証明が必要な場合があります。必要かどうかはレンタカー会社の指示に従いましょう。
◆ 擦り傷を防ぐための運転対策
▽ 車幅・車長を把握する
レンタカーは自家用車より大きいことが多いため、乗車前に車のサイズを確認しておくと安心です。可能なら一度ゆっくり駐車して感覚を掴むのがおすすめです。
▽ 駐車は一発で決めようとしない
バック駐車や縦列駐車の際は、一度で決めようとせず何度でも切り返しを行いましょう。焦ると事故のもとです。
▽ 狭い道では無理をしない
対向車が来た場合や通行に不安があるときは、バックして広い場所で待避するなど、余裕を持った対応を心がけましょう。
▽ サイドミラーの角度調整を忘れずに
車によってミラーの初期設定が違うことがあるため、自分が見やすい角度に調整しておきましょう。
◆ まとめ:もしものときの備えと、事故を防ぐ意識が大切
レンタカーを擦ってしまった場合には、修理費用・NOC・保険適用外費用など、予想以上の出費が発生することがあります。ただし、免責補償制度に加入しておくことで金銭的負担を軽減でき、万が一の事故にも冷静に対応できます。
また、車体のサイズ感を事前に確認し、慎重に運転することが最大の対策です。特に慣れない車や広い車両を運転する際は、スピードを控え、無理な運転をしないように心がけましょう。
安心・安全なドライブのためにも、借りる前の準備・意識・保険確認がカギです。事故ゼロを目指して、快適なレンタカー利用を楽しんでください。