送迎や団体移動の際によく見かける「マイクロバス」と「ハイエース」。見た目は似ていても、用途やサイズ、運転に必要な免許などには明確な違いがあります。
この記事では、それぞれの車両の特徴と、運転に必要な免許の種類について詳しく解説します。
1. マイクロバスとは?
特徴
マイクロバスは、中型バスよりも小さめで、主に10~29人程度を乗せられる車両です。幼稚園の送迎や企業・施設のシャトルバス、観光用の小型バスなどとして利用されています。日産「シビリアン」、トヨタ「コースター」、三菱ふそう「ローザ」などが代表的な車種です。
サイズと定員
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全長:およそ7m前後
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車幅:2.0~2.1m程度
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乗車定員:21〜29名(車両によっては最大29名)
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車両総重量:5トン以上が多い
マイクロバスは、車体が大きく座席数も多いため、団体での移動に最適です。一方で、運転にはある程度の技術と経験が求められます。
2. ハイエースとは?
特徴
トヨタ「ハイエース」は、バンタイプの車両で、貨物輸送用の「バン」から、乗用の「コミューター」「ワゴン」タイプまでラインナップがあります。送迎車両として使われるのは、主に「ハイエースコミューター(最大14人乗り)」や「ハイエースワゴン(最大10人乗り)」です。
サイズと定員
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全長:約5.4~5.8m
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車幅:1.9m前後
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乗車定員:
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ワゴン:最大10人(普通免許で運転可能)
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コミューター:最大14人(条件によって中型免許が必要)
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ハイエースはマイクロバスよりも小さく、小回りが利くため、狭い道路や都市部での送迎に向いています。
3. 運転に必要な免許の違い
マイクロバスを運転するには?
マイクロバスは、定員11人以上かつ車両総重量が5トンを超えることが一般的なため、中型免許または大型免許が必要です。
必要な免許の例
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中型免許(8t限定解除済み)
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条件:20歳以上、普通免許を取得後2年以上
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運転可能な車両:定員11〜29人、総重量11トン未満
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大型免許
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条件:21歳以上、普通免許を取得後3年以上
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運転可能な車両:定員30人以上も含め、すべてのバス
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ハイエースを運転するには?
ハイエースの運転に必要な免許は、タイプによって異なります。
① ハイエースワゴン(10人乗り以下)
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必要な免許:普通免許(AT限定でも可)
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特徴:家族や少人数の送迎に最適
② ハイエースコミューター(14人乗り)
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必要な免許:
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旧制度の普通免許(2007年6月1日以前に取得)→運転可能
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現行の普通免許では不可
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**準中型免許(5t限定を除く)または中型免許(8t限定解除済み)**が必要
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4. 目的別に見る選び方
用途 | おすすめ車種 | 必要な免許 |
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幼稚園や福祉施設の送迎(小規模) | ハイエースワゴン | 普通免許 |
企業送迎や観光など中規模団体の移動 | マイクロバス | 中型または大型免許 |
市街地や狭路での送迎 | ハイエースコミューター | 中型免許など |
長距離・快適性重視の移動 | マイクロバス(コースターなど) | 中型〜大型免許 |
5. まとめ:運転資格とニーズで選ぶのがポイント
ハイエースとマイクロバスは、見た目こそ似ているものの、その大きさ・用途・運転免許の条件は大きく異なります。
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ハイエースは、小回りが利き、普通免許で運転できるモデルも多いため、日常的な送迎や少人数の移動に最適。
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マイクロバスは、より多くの乗員を運ぶために設計されており、団体移動や長距離輸送に向いています。ただし、運転には中型以上の免許が必要となるため、ドライバーの資格確認が重要です。
車両を選ぶ際は、「誰が運転するのか」「何人乗せるのか」「どこを走るのか」といった条件をよく整理し、自社や目的に合った車種選びをすることが大切です。