団体旅行やイベントの送迎、合宿などで活躍するレンタルマイクロバス。しかし、便利に使える一方で、「駐車中に隣の車がドアをぶつけてきた」「いつの間にか車体にキズが…」といった**“ドアパンチ”トラブル**も起こりうるものです。
もし借りたバスに傷がついていたら…修理費は誰が負担するのか?保険は適用されるのか?ドライバーに責任があるのか?
こうした疑問に備えて、トラブル発生前に確認しておくべき5つのポイントを解説します。
1. 出発前に車両のキズやへこみをチェック・記録する
車両を借りたとき、出発前に必ず行ってほしいのが、車体全体のキズ・凹みチェックです。ドアパンチのような軽微な損傷は、返却時に「あなたの責任です」と言われてしまう可能性があります。
✔ チェックポイント
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左右のドア、リアハッチ、バンパーの角
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フェンダー部分やドアの縁
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ミラーやランプまわり
スマートフォンで写真や動画を撮っておくと、返却時に言いがかりを防げます。また、バス会社のスタッフ立ち会いのもと、傷を確認し、貸出記録に残すのがベストです。
2. 駐車場所は慎重に選ぶ
ドアパンチは狭い駐車場や隣の車との距離が近い場所でよく発生します。マイクロバスは普通車よりも大きく、駐車枠いっぱいに停めても隣と干渉しやすくなります。
✔ トラブルを避けるための駐車のコツ
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広めの駐車場を選ぶ(大型車専用エリアが理想)
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端のスペース、壁際を選ぶ
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不要な乗り降りは避け、乗降場所と駐車場所を分ける
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高速PA・道の駅では大型専用レーンに停車する
できる限り、周囲の車との距離がとれる場所を選びましょう。バスの大きさゆえに避けきれないこともありますが、配慮次第でリスクは大幅に下げられます。
3. 保険の補償内容を事前に確認する
「ドアパンチされたのは自分のせいじゃないのに、修理費を請求された…」というトラブルもあります。実は、レンタルマイクロバスには基本的に保険が付帯していますが、その内容は契約ごとに異なります。
✔ チェックしておきたい保険内容
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車両保険の有無(=借りた車両自体の損害を補償)
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対物・対人の補償額
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免責額(修理費用の自己負担額)
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ノンオペレーションチャージ(NOC)の有無と金額
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相手不明事故への対応(ドアパンチはこれにあたるケースも)
相手が特定できないドアパンチは「当て逃げ」となり、加害者不在のまま借主に責任がのしかかる場合があります。保険でカバーされるのか、またどの程度自己負担が発生するのかは、予約前に必ず確認しておきましょう。
4. トラブル発生時の対応フローを知っておく
万が一、ドアパンチなどのトラブルが発生したとき、どう対応すべきかを知っておくことが重要です。動揺して何も対応しなければ、保険の対象外となるケースもあります。
✔ トラブル発生時に行うべきこと
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安全を確保(移動や通行の妨げになる場所なら一時移動)
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状況を写真・動画で記録(傷、周囲の状況、ナンバーなど)
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相手がいる場合は連絡先と保険情報を確認
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バス会社へ速やかに報告(営業時間外の場合は指示に従う)
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警察に届け出(物損事故扱いになるため)
「相手がいない」「いつついた傷か分からない」場合でも、必ず報告と記録を行うことが、保険の適用や責任回避につながります。
5. ノンオペレーションチャージ(NOC)の有無
マイクロバスに損傷があると、修理期間中は他の客に貸し出せず、バス会社は営業損失を被ります。これに対する費用として**ノンオペレーションチャージ(NOC)**が設定されていることがほとんどです。
✔ 一般的なNOC金額
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自走可能な場合:20,000円程度
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自走不可(レッカー移動など):50,000円以上
たとえドアパンチのような軽微な損傷でも、車両修理が必要になればNOCが請求される可能性があります。保険で修理費はカバーされても、NOCは自己負担というケースが多いため、契約書で事前に確認しておきましょう。
まとめ:リスク回避のためには“事前の確認”がカギ
レンタルマイクロバスの利用中にドアパンチされると、思わぬ出費やトラブルに巻き込まれる可能性があります。
トラブルを防ぎ、発生した場合でも冷静に対応するためには、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。
✅ 確認すべき5つのポイント
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車体の傷チェックと記録を出発前に必ず行う
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駐車場所は広く安全な場所を選ぶ
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保険内容・補償範囲を事前に確認する
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トラブル時の対応フローを把握しておく
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NOC(ノンオペレーションチャージ)の有無と金額を確認
事前準備と知識があれば、万が一の際も冷静に対応できます。大人数の移動を支えるマイクロバスだからこそ、安心・安全に利用するために、レンタル前のチェックをしっかり行いましょう。