中型免許といっても「8t限定」や「限定なし」などの違いがあり、運転できる車両の種類に制限があることをご存じでしょうか。特にマイクロバスのような車両は、普通自動車よりもサイズが大きいため、「8t限定中型免許」で運転できるのか疑問に思う方も多いはずです。
この記事では、8t限定の中型免許でマイクロバスを運転できるのかを明確に解説し、もし運転できない場合の限定解除の方法についても紹介します。
8t限定中型免許とは?
2007年6月に道路交通法が改正され、「中型免許」が新設されました。それ以前に普通免許を取得していた人は、改正後に自動的に「中型免許(8t限定)」とみなされるようになりました。
8t限定中型免許で運転できる車両の条件
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車両総重量:8トン未満
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最大積載量:5トン未満
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乗車定員:10人以下
つまり、一般的な普通自動車と同様の範囲しか運転できず、見た目は「中型免許」でも実質は普通免許に近い内容です。
マイクロバスは8t限定で運転できる?
結論から言うと、8t限定の中型免許ではマイクロバスは運転できません。
なぜ運転できないのか?
マイクロバスの多くは以下の条件を超えているからです。
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乗車定員:11人〜29人
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車両総重量:約5〜8トン(車種によって異なる)
8t限定中型免許では「乗車定員10人以下」の制限があるため、11人以上が乗れるマイクロバスは対象外となります。
マイクロバスを運転したい場合の選択肢
マイクロバスを運転するには、次のいずれかの免許が必要です。
限定解除して「中型免許(限定なし)」を取得
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乗車定員:11〜29人
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車両総重量:7.5〜11トン
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最大積載量:4.5〜6.5トン
中型免許の限定解除を行うことで、マイクロバスの運転が可能になります。
大型免許を取得する
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乗車定員:30人以上も対応可
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車両総重量11トン以上のバスやトラックも運転可能
大型バスまで運転したい場合はこちらが必要ですが、マイクロバス程度なら中型免許(限定なし)で十分です。
限定解除の方法と手順
8t限定の中型免許から限定を解除するには、教習所に通うか、運転免許試験場での一発試験を受ける必要があります。
1. 教習所での限定解除
● 条件
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所持免許:8t限定中型免許(または平成19年以前に取得した普通免許)
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年齢:20歳以上
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運転経験:2年以上
● 教習内容(中型限定解除コース)
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技能教習:最短4〜6時限
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学科教習:不要(すでに中型免許保有のため)
● 教習費用
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約10万〜15万円(教習所や地域により異なる)
● 教習後の流れ
教習所で卒業証明書を受け取ったら、運転免許センターで手続きを行い、中型免許(限定なし)に書き換えとなります。
2. 一発試験での限定解除
費用を抑えたい方は、運転免許試験場での一発試験という方法もあります。
● 試験内容
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技能試験のみ(学科試験は免除)
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合格率はやや低め(20〜30%)
● メリット・デメリット
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メリット:費用が安い(数千円〜1万円程度)
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デメリット:一発合格が難しく、練習が必要
マイクロバスを運転する上での注意点
車両のサイズ感
マイクロバスは普通車より全長や幅が大きいため、狭い道や駐車には注意が必要です。
車両感覚の違い
特にカーブや車線変更の際は死角が広くなるため、運転経験が浅い場合は実車での練習をおすすめします。
事業用(緑ナンバー)の運転は別途資格が必要
乗客から運賃を取って運ぶ場合は、旅客運送のための「二種免許」や運行管理の資格が必要です。個人利用や社用車での送迎なら、中型免許で問題ありません。
まとめ:マイクロバスを運転したいなら「中型免許(限定なし)」が必要
8t限定の中型免許では、マイクロバス(乗車定員11人以上)は運転できません。マイクロバスを運転するには、**限定解除をして「中型免許(限定なし)」**を取得するか、大型免許を取る必要があります。
まずはどの程度のバスを運転したいのかを明確にし、必要に応じて教習所や運転免許センターで限定解除の手続きを進めましょう。将来的に多人数の送迎などを検討している方にとっては、限定解除は有効なステップです。