マイクロバスは、小型のバスでありながら、団体旅行や送迎、社員の移動、学校・施設の送迎など、多様な用途で活躍する車両です。
大型バスほどの大きさや乗車定員はないものの、普通のワゴン車以上に多人数を一度に輸送できるという点で、非常に効率的です。本記事では、マイクロバスの定員や座席数、実際の乗車可能人数などについて詳しく解説します。
マイクロバスとは?
マイクロバスは、乗車定員が概ね11人以上29人以下の小型バスを指します。法律上の分類では、「中型乗合自動車(マイクロバス)」に該当し、バスの中では最も小さい部類になります。
一般的にマイクロバスとされる代表的な車種には以下のようなものがあります:
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トヨタ コースター
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日産 シビリアン
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三菱ローザ
これらの車種は、日本国内で広く流通しており、レンタカー会社や企業の送迎車、自治体のコミュニティバスとしても活用されています。
定員と座席数の違い
「定員」と「座席数」は似ているようで、意味が異なる点に注意が必要です。
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定員(乗車定員):その車両に乗ることが許される最大人数(運転手を含む)
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座席数:実際に座ることができる座席の数(補助席含む場合と含まない場合あり)
マイクロバスの多くは、補助席を含めることで定員を最大限まで引き上げる設計になっています。たとえば、標準の座席数が22席であっても、補助席を追加することで26〜29人の定員になることがあります。
一般的なマイクロバスの定員と座席構成
以下に、主要なマイクロバスの一般的な定員・座席構成の例を紹介します。
車種名 | 座席数(補助席含む) | 定員(運転手含む) | 備考 |
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トヨタ コースター(ロングボディ) | 25〜26席 | 最大29人 | 最も多く使われるマイクロバス |
日産 シビリアン | 22〜26席 | 最大29人 | 福祉車両仕様もあり |
三菱ローザ | 20〜25席 | 最大29人 | 教育施設や企業の送迎によく利用される |
このように、マイクロバスは運転手を除いて最大28人の乗客を運ぶことができます。
運転に必要な免許は?
マイクロバスの運転には、定員によって必要な運転免許が異なります。
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定員11人以下(運転手含む):普通自動車免許で運転可能
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定員11人超〜29人以下:中型免許(限定解除)または大型免許が必要
たとえば、定員29人のマイクロバスを運転するには、通常の普通免許では対応できず、大型一種免許が必要です。これは、安全運行を担保するためでもあります。
法律・規制上のポイント
日本の道路交通法では、「乗車定員」と「車両の分類」が以下のように定められています。
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定員10人以下:普通自動車
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定員11〜29人:中型(マイクロバス含む)
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定員30人以上:大型バス
また、商業利用(貸切バスや送迎バスなど)で使用する場合、道路運送法による運行管理、定期点検、安全指導なども義務付けられます。
マイクロバス利用時の注意点
1. 荷物のスペース
マイクロバスには大型バスのようなトランクスペースがほとんどないため、旅行などで荷物が多い場合は、荷物車を別途用意するか、座席を荷物スペースに充てる必要があります。
2. 補助席の快適性
補助席は収納式であり、長距離移動には向かないこともあります。乗客の快適性を考慮して、定員いっぱいに乗せるより、少し余裕を持った人数で利用するのが理想です。
3. シートベルト
近年の法改正により、バスの乗客にもシートベルトの着用が義務付けられています。特に高速道路を利用する場合には、補助席含め、全席でのシートベルト着用が必要です。
用途別のおすすめ定員数
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企業・施設の送迎:20〜25人乗り
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学校・クラブ活動の移動:25〜28人乗り(補助席活用)
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福祉施設・介護施設:車椅子対応の特別仕様(定員変動あり)
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観光や小旅行:20人程度で荷物スペース確保
用途に応じて、座席数と荷物スペースのバランスを考慮して選ぶのがポイントです。
まとめ
マイクロバスは、29人以下の小型バスでありながら、様々な場面で柔軟に活用できる便利な車両です。定員や座席構成は車種や目的によって異なりますが、補助席を含めて最大29人まで乗車可能です。
ただし、定員や用途に応じた適切な運転免許が必要であり、法律上の運行管理も欠かせません。選定の際は、人数だけでなく、快適性や荷物スペースなどの要素も考慮することが大切です。