マイクロバスを利用する場面は、社員旅行、地域の行事、学校関係の送迎、冠婚葬祭、スポーツチームの遠征など、多岐にわたります。そうした中で、利用者が迷いやすいのが「運転手付きで借りるか」「運転手なしで借りるか」という選択です。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、利用目的や状況に応じて判断する必要があります。ここでは、それぞれの違いや選び方のポイントを詳しく解説します。
運転手付きマイクロバスの特徴とメリット
運転手付きのマイクロバスとは、貸切バス会社がドライバーを派遣し、車両と一緒に運転手のサービスも提供する形式です。一般的に旅行会社やバス会社を通じて予約する形となります。
主なメリット
1. 安全性が高い
プロの運転手が運転するため、安全運転が徹底されています。運転技術はもちろん、道路状況や運行ルールにも精通しており、安心して乗車できます。長距離移動や山道など、運転が難しいルートでも対応可能です。
2. 旅を楽しめる
参加者全員が乗客として移動できるため、誰も運転の負担を感じることがありません。特に、移動中にお酒を楽しみたい場合や、高齢者が多い場合には、運転手付きの方が圧倒的に便利です。
3. 道に迷う心配がない
土地勘のない地域でも、運転手が適切なルートを選んでくれるため、スムーズに目的地に到着できます。遅延やトラブルも起こりにくく、スケジュール通りに進行できます。
4. トラブル時の対応も安心
車両トラブルや渋滞などが発生した場合でも、運転手が適切に対応してくれます。旅行会社と連携している場合は、代車や時間調整などのサポートも受けられます。
運転手なし(セルフ運転)のマイクロバス利用とは?
一方、運転手なしでマイクロバスを借りる場合、レンタカー会社から車両のみを借り、自分たちで運転することになります。ただし、マイクロバス(定員11人以上)の多くは、中型免許または大型免許が必要です。
主なメリット
1. コストが安く済む
運転手の人件費がかからない分、レンタル代だけで済むため、費用を抑えられます。予算が限られている場合には魅力的な選択肢です。
2. 柔軟なスケジュールが可能
出発時間や寄り道ルートなどを自由に設定でき、団体内で臨機応変に対応できます。急な予定変更にも自分たちで即時に対応できる点は便利です。
3. プライベート感がある
運転手が同乗しないため、気心の知れた仲間だけで気楽に移動できます。会話や音楽など、他人を気にせず過ごせるのも魅力です。
運転手なしのデメリットとリスク
1. 免許と運転技術が必要
マイクロバスは普通免許では運転できません。2017年の免許制度改正後は、「中型(8t限定)免許」でも一部車両は運転できなくなっており、該当車両には「中型免許(限定なし)」または「大型免許」が必要な場合があります。運転手が限られる点は大きなネックです。
2. 事故リスクが高まる
慣れていない人が大きな車両を運転するのは、非常に神経を使います。運転ミスによる事故や接触、車幅感覚の違いなど、リスクがつきまといます。特に長時間運転や夜間運行では注意が必要です。
3. 運転者に負担が集中する
運転者は飲酒できず、常に気を張る必要があります。長時間の運転では疲労も蓄積し、旅行の楽しさが半減する可能性もあります。
利用目的ごとのおすすめ
以下に、目的別のおすすめをまとめました。
利用目的 |
おすすめ |
社員旅行・慰安旅行 |
運転手付き(全員が楽しめる) |
学校・幼稚園の送迎 |
運転手付き(安全性が最優先) |
結婚式や葬儀の送迎 |
運転手付き(時間・マナー重視) |
近距離の荷物運搬や送迎 |
運転手なし(コスト重視で短時間) |
地元イベントでの少人数移動 |
運転手なし(運転手が確保できる場合) |
結論:どちらを選ぶべきか?
「安全性」「快適さ」「運転者の負担」「法的条件」などを総合的に考えると、ほとんどのケースでは「運転手付き」をおすすめします。とくに、旅行や送迎など多人数が関わる場面では、プロに任せることでリスクも負担も大きく減らせます。
一方で、「中型免許を持った人がいて、短距離かつ費用を抑えたい場合」には、運転手なしでも十分対応可能です。ただし、その際は運転者の疲労や安全面に十分配慮する必要があります。
ご利用の目的・人数・距離・予算に応じて、最も適した方法を選んでください。不明点や具体的なプランがあれば、それに応じて個別にアドバイスも可能です。